世界の保育(月刊コラム) 2026年1月号
英国で早期のことば支援を評価、NZは保育の認可基準を改定
2026年1月は、イングランドで乳幼児のことばの育ちを支える国のプログラムの中間評価が公表され、ニュージーランドでは保育施設の認可基準の改定内容が示されました。中国では3歳未満児への育児補助金の2026年分の申請受付が始まっています。
この号は、2026年9月28日に、2026年1月の各国の発表・報道をふり返ってまとめたバックナンバーです。内容はその時点の情報です。
アジア
中国3歳未満児への育児補助金、2026年分の申請受付が始まる
中国政府のポータルサイトは1月5日、全国一律の育児補助金について2026年分の申請受付が始まったと伝えました。3歳未満の子ども1人につき年3,600元が支給され、アリペイやWeChatなどのオンラインのほか、窓口でも申請できます。補助金は非課税とされています。
この制度は2025年7月に始まり、これまでに2,400万人以上に支給され、2025年分の支給率はおよそ8割に達したと説明されています。中国には3歳未満の子どもが約3,000万人いるとされ、出生数の減少が続くなかで子育て家庭を支える施策の一つと位置づけられています。
日本の保育士にとって現金給付で家庭の負担を軽くする一方、乳児期の子どもを誰がどう育てるかという保育の役割は変わりません。0〜2歳児保育を担う日本の保育士の専門性を、保護者支援の面からも見直すきっかけになります。
オセアニア
ニュージーランド保育施設の認可基準の改定を公表、4月20日から適用
ニュージーランド教育省は1月22日の幼児教育向け広報で、2008年に定めた幼児教育・保育施設の認可基準(Licensing Criteria)の改定版を公表したと伝えました。対象はセンター型、家庭的保育型、病院内の保育サービスで、改定は2026年4月20日から適用されます。
教育省は、施行までの約3か月を各施設が変更点を理解し、運営の見直しを進める準備期間にしてほしいとしています。同じ広報では、国の予防接種登録システムが整ったことを受けて、1月8日から幼児教育施設と小学校が予防接種の記録簿を備える義務がなくなったことも案内されました。
日本の保育士にとって基準が変わるときに「準備期間」を明示して現場に周知する進め方は、日本の制度改正時にも参考になります。自園でも、ルール変更の際に職員が理解し話し合う時間をとれているか振り返ってみましょう。
ヨーロッパ
英国(イングランド)乳幼児のことばの支援プログラム、中間評価で保育者の自信が向上
英国教育省は1月29日、ことばやコミュニケーションに支援が必要な子どもを早く見つけて支える「すべての子どもへの早期言語支援(ELSEC)」プログラムの中間評価報告書を公表しました。教育省と国民保健サービス(NHS England)が共同で進めるもので、2023年9月からイングランドの9地域で試行されています。
報告書によると、2025年7月までに590の施設が参加し、3,830人の施設職員が研修を受け、1万7,333人の子どもが全体向けの支援、4,616人が個別の支援を受けました。職員の間では、ことばに支援が必要な子どもへの対応に自信が高まったとの声があり、全員を対象にしたスクリーニングで、それまで気づかれていなかった支援ニーズが多く見つかったとされています。一方、支援員の採用・定着の難しさや、短期の予算による計画の立てにくさが課題に挙げられました。
日本の保育士にとって言語聴覚士などの専門職と保育者が連携し、保育の場でことばの育ちを支える取り組みです。日本でも、気になる子への対応を保育者だけで抱え込まず、専門職とどうつながるかを考えるヒントになります。
各国の政府・公的機関・国際機関・主要な報道の発表をもとに、保育士求人アースが日本語でまとめています。金額や制度はその時点のものです。