保育の現場から(週刊コラム) 2026年9月14日号

キャリアアップ研修の見直し議論が始まる、保育関係の概算要求も

9月第2週の保育の話題をまとめました。国の検討会で保育士等キャリアアップ研修の見直しに向けた論点案が示され、保育関係の概算要求の詳しい中身も公表されました。インフルエンザは前週からさらに増え、こども虐待による死亡事例の検証報告も出ています。

この号は、2026年9月28日に、2026年9月14日ごろまでの1週間の公的な発表・報道をふり返ってまとめたバックナンバーです。内容はその時点の情報で、その後変わっている場合があります。

1キャリアアップ研修の見直しへ、国の検討会が論点案

こども家庭庁の保育士養成課程等検討会(第5回)が9月10日に開かれ、保育士等キャリアアップ研修の見直しに向けた検討事項の案が示されました。基礎・応用・発展のように段階を分けること、今は各分野一律15時間の研修時間を分野ごとに一定の範囲で設定できるようにすること、公開保育や園内研修を研修の一部として認めることなどが挙がっています。

都道府県によって受講料や認められる研修の範囲、受講時間の合算方法にばらつきがあることへの対応や、園長・管理職向け研修の必須化の検討も論点に入りました。管理職を目指す道だけでなく、乳児保育や障害児保育など自分の強みや専門性を伸ばせるキャリアの道をつくることも検討事項とされています。

あわせて、7月下旬から8月上旬に行ったアンケートの結果も示されました。回答した9,786施設のうち57.9%が「研修を受ける時間や代わりの職員の確保が難しい」と答え、「研修の枠が少なく希望する年度に受けられない」も23.4%ありました。

現場でのポイント今回は論点を整理した段階で、今の研修の仕組みがすぐに変わるわけではありません。これまでに受けた研修の修了証はきちんと保管し、今後の受講計画を園の担当者と確認しておくと安心です。

出典(3件)

2保育関係の概算要求、宿舎借り上げやICT化の支援を盛り込む

前号でお伝えしたこども家庭庁の概算要求のうち、保育関係の概要が9月10日に掲載されました。保育関係の総額は2兆7,221億円で、今年度の2兆5,747億円を上回ります。処遇改善については、民間の給与の動向などをふまえて保育士等のさらなる処遇改善を検討するとしています。

保育士宿舎借り上げ支援は、月額7万5,000円を上限に市区町村ごとの上限額を設ける形で盛り込まれました。業務システムの導入を支援する保育所等のICT化推進事業(1機能の場合1施設あたり20万円など)や、午睡センサーなど睡眠中の事故を防ぐ機器の購入支援、保育士・保育所支援センターの法定化の検討なども含まれています。

現場でのポイント宿舎借り上げ支援は、実施しているかどうかや対象の条件が自治体や園によって異なります。転職や引っ越しを考えている人は、候補の園で利用できるかを早めに確認しておきましょう。

出典(1件)

3インフルエンザは第36週に3.29、秋雨と真夏日が交互に

厚生労働省が9月11日に発表した第36週(8月31日〜9月6日)のインフルエンザの全国の定点当たり報告数は3.29で、前年の同じ時期(0.50)を大きく上回りました。都道府県別では沖縄県が10.34と最も多く、ほかにも東京都、神奈川県、新潟県など多くの都県で5を超えています。

この週に休業した施設は167施設で、小学校が126施設と大半を占め、幼稚園は12施設、保育所は4施設でした。

天気は、日本気象協会の9月10日の解説によると、秋雨前線の影響で東北から東海では雨の多い日が続く一方、12日から14日にかけては東海から九州を中心に最高気温30℃以上の真夏日となる所が多い見込みです。

現場でのポイント小学校での学級閉鎖が増えると、きょうだいを通じて園に感染が持ち込まれることもあります。保護者から家族の体調の情報を早めにもらえるよう声をかけ、蒸し暑い日と肌寒い日が入れ替わる時期なので、着替えを多めに用意してもらうとよいでしょう。

出典(2件)

4こども虐待による死亡事例の検証報告(第22次)が公表

こども家庭庁は9月10日、こども虐待による死亡事例の検証結果(第22次報告)を公表しました。令和6年度(2024年4月〜2025年3月)に把握した死亡は65例77人で、このうち保護者の自殺を伴わない虐待死が46例50人、保護者の自殺を伴う虐待死が19例27人でした。保護者の自殺を伴わない虐待死のうち、0歳児が34人と68.0%を占めています。

今回の報告から、これまで「心中」と呼んでいた事例を「保護者の自殺を伴うこどもの虐待死」と呼び方を改めました。報告では、保育所や学校などと虐待対応の担当部署が情報やリスクの評価を共有できなかった事例も、対応のポイントとして取り上げられています。

現場でのポイント日々の視診や送迎時の保護者の様子で気になることがあれば、記録に残して園内で共有し、自治体の担当窓口につなぐ流れをあらためて確認しておきましょう。

出典(2件)

今週使える保育のアイデア

このコラムは、公的機関の発表・報道・公開されている保育関連の記事の傾向と、当サイトの求人データをもとに、保育士求人アースが毎週作成しています。個人の投稿の引用や、特定の個人・園の紹介は行っていません。内容の誤りに気づいた場合はお問い合わせからお知らせください。