保育の現場から(週刊コラム) 2026年8月24日号
公定価格の地域区分見直しの方向性、保育所の防災・BCP強化へ
8月19日にこども家庭庁の子ども・子育て支援等分科会が開かれ、保育に関わる話題がまとめて報告されました。公定価格の地域区分は地域間の差を縮める方向で検討が進み、熊本地震を踏まえた保育所の業務継続計画(BCP)の強化や、こども誰でも通園制度の実施状況も示されました。
この号は、2026年9月28日に、2026年8月24日ごろまでの1週間の公的な発表・報道をふり返ってまとめたバックナンバーです。内容はその時点の情報で、その後変わっている場合があります。
1公定価格の地域区分、地域間の差を縮める方向で検討
保育所の運営費のもとになる公定価格には、地域ごとの人件費の違いを反映する「地域区分」があります。国家公務員の地域手当が令和6年の人事院勧告で市町村単位から都道府県単位に改められたことを受けて、保育所の地域区分をどう合わせるかが検討されてきました。
8月19日の分科会で示された資料では、自治体への調査で、都道府県の5割弱(21か所)が人事院勧告に合わせつつ新しい補正ルールを設けるのが適当と答えました。こども家庭庁は、人事院勧告の地域手当の率に準拠しながら新たな補正ルールを設ける方向で検討し、全国的な地域区分の差が今より縮まる方向を基本方針とすると説明しています。令和9年4月の適用を目指すとしています。
現場でのポイント地域区分は、勤め先の園の運営費や給与の原資に関わる仕組みです。いま働いている自治体や、転職先として考えている地域がどの区分にあたるのかを知っておくと、今後の議論を自分ごととして追いやすくなります。
2防災の日を前に、保育所のBCP(業務継続計画)強化へ
同じ分科会では、保育所等の業務継続計画(BCP)についても報告がありました。保育所と認定こども園で、自然災害が起きたときのBCPを策定している割合は、策定中も含めて約7割、それ以外(感染症など)のBCPは約5割にとどまっています。BCPの策定は現在、努力義務です。
こども家庭庁は、令和8年熊本地震を踏まえて、BCPづくりを含めた保育所等の防災の取り組みをさらに進めるとしています。電気・通信・交通が途絶えた場合の対策も盛り込んだ業務継続ガイドラインを令和8年度中をめどに改訂し、感染症対策ガイドラインにも集団発生時の対応を10月ごろをめどに加える予定です。
現場でのポイント9月1日の防災の日の前後は、避難訓練や引き渡し訓練を行う園が多い時期です。連絡手段が使えないときに誰が何をするか、園のBCPや防災マニュアルで自分の役割を確認しておくと、いざというときに迷わず動けます。
3こども誰でも通園制度、約82%の自治体で事業所登録が完了
今年度から全国で始まったこども誰でも通園制度の実施状況も報告されました。4月30日時点で、全自治体の約82%にあたる1,419自治体で事業所の登録が済み、全国の6,400を超える事業所で実施されています。事業所の7割以上を保育所と認定こども園が占めています。
4月の利用状況(暫定版)では、認定を受けたこどもは約5.3万人、実際に利用したのは約1.1万人でした。月10時間の利用可能時間については、令和8〜9年度の経過措置として、自治体が条例で3時間以上10時間未満の範囲で設定できます。人材の確保に向けて、子育て支援員研修に制度向けの新しいコースも設けられています。
現場でのポイント制度を実施する園では、ふだん在籍していない子どもを短時間受け入れることになります。初めての子の受け入れ方や保護者との情報共有のしかたを、園内であらかじめ話し合っておくと安心です。
4暑さと感染症の続報
前号でお伝えした熱中症の救急搬送は、総務省消防庁の速報値で8月10日〜16日の1週間が全国3,132人となり、前年の同じ時期(4,547人)を下回りました。このうち乳幼児は14人です。
東京都感染症情報センターの第33週(8月10日〜16日)の週報では、手足口病の定点当たり報告数が1.85まで下がったものの、警報の基準を超えた保健所の管轄人口が都全体の3割を超えているため、警報レベルは続いています。インフルエンザは0.91とさらに増え、流行開始の目安の1.0を超えた保健所は8か所になりました。
現場でのポイント搬送が減った週があっても、暑さそのものは続いています。インフルエンザの増え方にも注意しながら、子どもの体調の変化を早めに保護者と共有できるようにしておきましょう。
今週使える保育のアイデア
このコラムは、公的機関の発表・報道・公開されている保育関連の記事の傾向と、当サイトの求人データをもとに、保育士求人アースが毎週作成しています。個人の投稿の引用や、特定の個人・園の紹介は行っていません。内容の誤りに気づいた場合はお問い合わせからお知らせください。