保育の現場から(週刊コラム) 2026年4月27日号

麻しんで保育施設職員にも接種歴の確認を、虐待防止ガイドライン改訂

4月下旬の保育の話題をまとめました。増え続ける麻しん(はしか)について国のリスク評価が公表され、保育施設の関係者も予防接種歴の確認が求められています。保育所や幼稚園の虐待防止ガイドラインの改訂、こども性暴力防止法の研修教材の公表、保育士の業務負担に関する大規模調査の報告書公開も重なりました。

この号は、2026年9月28日に、2026年4月27日ごろまでの1週間の公的な発表・報道をふり返ってまとめたバックナンバーです。内容はその時点の情報で、その後変わっている場合があります。

1麻しんのリスク評価、保育施設の関係者も接種歴の確認を

4月13日号でお伝えした麻しん(はしか)の増加を受けて、国の資料の公表が続きました。国立健康危機管理研究機構(JIHS)が4月20日に公表したまとめでは、10〜20代を中心に、家庭や医療機関、学校などでの感染が確認されていて、10〜20代の患者の約半数は接種が2回未満か接種歴が不明でした。

4月24日に厚生労働省が公表したリスク評価の資料では、2024年度の定期接種率が第1期92.7%、第2期91.0%と目標を下回ったことが示されました。あわせて、医療従事者や学校・保育施設の関係者など、予防接種歴の確認が特に求められる人が挙げられています。同じ日には、自治体向けに保健所の対応ガイドライン(第三版)も示されました。

現場でのポイントまずは自分の母子健康手帳などで2回接種したかどうかを確かめ、わからない場合は園や医療機関に相談しておくと安心です。発熱や発疹のある子の保護者には、受診前に医療機関へ連絡するよう伝える流れも確認しておきましょう。

出典(3件)

2保育所・幼稚園の虐待防止ガイドラインが改訂

こども家庭庁と文部科学省は、「保育所や幼稚園等における虐待防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」の改訂版を公表し、4月24日付で自治体などに通知しました。2025年10月に施行された改正児童福祉法で、職員による虐待を受けたと思われるこどもを見つけた人に、自治体への通報が義務づけられたことを受けたものです。

改訂版は幼稚園や一時預かりなども対象に含め、身体的・性的・ネグレクト・心理的の4つの類型ごとに具体例を示しています。通報した職員が、通報を理由に解雇などの不利益な扱いを受けないことも明記されています。

現場でのポイント「これは虐待にあたるのか、日々の保育の改善で対応すべきことか」の判断に迷う場面は少なくありません。園内研修などで具体例を一緒に読み、気になる場面を見たときに誰に相談するかをあらかじめ決めておくと、いざというときに動きやすくなります。

出典(2件)

3こども性暴力防止法、職員向け研修教材やルールのひな型を公表

こども家庭庁は4月23日、第12回こども性暴力防止法施行準備検討会を開き、施行に向けた資料をまとめて公表しました。職員(従事者)向けの研修資料・演習資料・確認テスト、事業者向けのチェックリスト、報告ルールや対応ルールのひな型、保護者向けの周知資料のひな型、関連システム(こまもろうシステム)のマニュアルなどです。

チェックリストでは、12月25日の施行までに、職員への制度の周知や研修の計画・実施、就業規則の見直し、相談窓口の設置などを進めるよう示されています。

現場でのポイント現場の保育士は、今後、園の研修を受けたり、犯罪事実確認の手続きに関わったりすることになります。公表された職員向けの研修資料は誰でも読めるので、一度目を通しておくと、園からの説明が理解しやすくなります。

出典(2件)

4保育士約1万7千人の調査、負担が大きいのは書類と記録

4月23日、こども家庭庁の調査研究事業として行われた「保育士等の意識及び業務負担軽減に関する調査研究」の報告書が公開されました。現役の保育士16,902人などが回答しています。

今後も保育士として働き続けたいと答えた人は80.1%でした。辞めたい理由では「給与がよくない」と「業務量が多い」がともに25.2%で並びました。負担が大きい業務は「指導計画作成等の書類作成」(50.8%)、「保育記録の作成」(49.4%)、「保護者対応」(42.4%)の順で、休憩時間が30分未満という人も34.7%いました。一方、保育ICTを導入した施設では、66.9%が業務が軽くなったと感じています。

書類や記録の負担は、職場によって大きく違うところです。今の職場で改善を提案するときや、転職先を探すときは、ICTの導入状況や休憩の取り方を具体的に聞いてみると、働きやすさを見極める手がかりになります。

出典(1件)

5地域限定保育士試験、新たに6県が認定

こども家庭庁は4月22日、千葉・神奈川・兵庫・鳥取・鹿児島・沖縄の6県の地域限定保育士試験の実施方法書を認定したと発表しました。保育人材が特に不足している地域で、重点的に人材を確保するための仕組みです。三重・滋賀・大阪・奈良・岡山・福岡の6府県はすでに認定を受けています。

現場でのポイント保育補助などで働きながら資格を目指している人にとっては、受験の機会が増えることになります。職場に資格取得を目指す同僚がいれば、自治体の試験情報を一緒に確認してみるとよいでしょう。

出典(1件)

今週使える保育のアイデア

このコラムは、公的機関の発表・報道・公開されている保育関連の記事の傾向と、当サイトの求人データをもとに、保育士求人アースが毎週作成しています。個人の投稿の引用や、特定の個人・園の紹介は行っていません。内容の誤りに気づいた場合はお問い合わせからお知らせください。