保育所保育指針を現場の言葉で読む 第6回
3歳以上児の保育と5領域――「個」と「集団」の両方を育てる
指針は3歳以上児の保育について、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならないとしています。健康・人間関係・環境・言葉・表現の5領域を、遊びの中でどう見るかを考えます。
「この時期においては、運動機能の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに」
保育所保育指針 第2章 保育の内容 3(1)ア
「個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならない」
保育所保育指針 第2章 保育の内容 3(1)ア
「感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする」
保育所保育指針 第2章 保育の内容 3(2)オ
「個」と「集団」はどちらも大切
指針は、この時期の保育において、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならないとしています。クラス全体で取り組む活動が増える時期ですが、一人一人の思いや育ちが見えなくなってよいわけではありません。
みんなで一つのことをする場面でも、その中で一人一人が何を感じ、どんな役割を果たしているかに目を向けたいところです。
5領域のねらいを言葉で確かめる
5領域それぞれの冒頭には、その領域で育てたいことが短い一文で書かれています。たとえば「健康」は「健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う」、「人間関係」は「他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う」です。
「環境」は「周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う」とされています。どれも「〜させる」ではなく、子ども自身の力を育てる書き方になっている点が共通しています。
表現は「上手さ」だけではない
「表現」の領域は、感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにするとしています。ポイントは「自分なりに」という言葉です。
発表会や作品展では完成度に目が向きがちですが、そこに至るまでに子どもが何を感じ、どう工夫したかにも光を当てると、表現の見え方が変わってきます。
現場では、たとえば
- リレー遊びで負けて悔しがる子の気持ちを受け止めつつ、チームで作戦を話し合う時間をつくる。
- 劇遊びの配役を決めるとき、全員が同じ役を目指すのではなく、それぞれがやりたい役や表現の仕方を選べるようにする。
- 園庭で見つけた虫の名前を知りたがる子どもたちと一緒に図鑑を調べ、気づいたことを絵や言葉で残す。
明日の保育で考えたいこと
- クラス全体の活動の中で、目立たない子の「その子なりの参加」を見つけられているでしょうか。
- 行事の準備の中で、子どもが「自分なりに」表現できる余白はどこにあるでしょうか。
引用は厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)の本文によります。解説は保育士求人アースによるものです。