保育所保育指針を現場の言葉で読む 第7回

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は到達目標ではない

指針は10の姿を、保育士等が指導を行う際に考慮するものとして示しています。できた・できないのチェックリストではなく、子どもの育ちを見る手がかりとして読んでみます。

「資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり」

保育所保育指針 第1章 総則 4(2)

「保育士等が指導を行う際に考慮するものである」

保育所保育指針 第1章 総則 4(2)

10の姿の名前

指針に示されている10の姿は、「健康な心と体」「自立心」「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」です。

名前だけを並べると大きな目標に見えますが、それぞれの中身は日々の遊びや生活の中で見られる具体的な姿として書かれています。

「考慮するもの」という位置づけ

指針は10の姿を、資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものであるとしています。「全員がこの姿に到達しなければならない」という基準として書かれているわけではありません。

一人一人の育ちの道筋やペースは違います。10の姿は、子どもを評価する物差しというより、保育士が自分の関わりをふり返るための視点として使うと生きてきます。

3つの資質・能力とのつながり

指針は育みたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」の3つを挙げています。10の姿は、こうした資質・能力が育まれている姿として示されています。

特別な教材を用意するというより、今している遊びや生活の中にこれらの芽がどう表れているかを見つけていくことが、日々の保育でできることです。

小学校への「つなぎ」の言葉として

10の姿は、保育所と小学校が子どもの育ちについて話すときの共通の言葉としても使うことができます。「〇〇ができるようになりました」だけでなく、「こんな場面でこんな姿が見られました」と具体的に伝えることで、子どもの姿がより伝わりやすくなります。

姿を「できる・できない」で切り取らず、その子らしいエピソードとして語れるかどうかを意識してみたいところです。

現場では、たとえば

明日の保育で考えたいこと

引用は厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)の本文によります。解説は保育士求人アースによるものです。