保育所保育指針を現場の言葉で読む 第4回
乳児保育の「3つの視点」を日々の関わりから見る
指針は乳児保育のねらいと内容を、「健やかに伸び伸びと育つ」「身近な人と気持ちが通じ合う」「身近なものと関わり感性が育つ」という3つの視点でまとめています。0歳児の何気ない毎日に、この3つがどう重なっているかを見ていきます。
「身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」、社会的発達に関する視点「身近な人と気持ちが通じ合う」及び精神的発達に関する視点「身近なものと関わり感性が育つ」としてまとめ」
保育所保育指針 第2章 保育の内容 1(1)イ
「特定の大人との応答的な関わりを通じて、情緒的な絆が形成される」
保育所保育指針 第2章 保育の内容 1(1)ア
「乳児保育は、愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要である」
保育所保育指針 第2章 保育の内容 1(1)ア
なぜ「領域」ではなく「視点」なのか
1歳以上の保育は5つの領域でまとめられていますが、乳児保育は3つの「視点」でまとめられています。指針は、乳児期の発達の特徴を踏まえて乳児保育の「ねらい」及び「内容」をまとめたとしています。
体・人との関わり・ものとの関わりがまだ分かれずに育っていく時期だからこそ、3つの見方で同じ姿を見る、と考えると日々の記録にも生かしやすくなります。
3つの視点の中身
「健やかに伸び伸びと育つ」は身体的発達、「身近な人と気持ちが通じ合う」は社会的発達、「身近なものと関わり感性が育つ」は精神的発達に関する視点です。
たとえば、はいはいでおもちゃに向かう姿には、体を動かす育ち、保育士の方を振り返って確かめる関わり、おもちゃの手触りや音に惹かれる心の動きが同時に入っています。
「応答的に」が鍵になる
指針は、この時期に特定の大人との応答的な関わりを通じて情緒的な絆が形成されることにふれ、乳児保育は愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要だとしています。
声を出したら返ってくる、手を伸ばしたら受け止めてもらえる。そのくり返しが、「この人と一緒なら大丈夫」という感覚と、外の世界へ向かう力の両方を育てていきます。
現場では、たとえば
- おむつ替えのとき、子どもの「あー」という声に同じ調子で「あー、きもちいいね」と返し、やりとりを楽しむ。
- ずりばいで布ボールに向かう子を、少し離れたところで見守り、手が届いたら目を合わせて一緒に喜ぶ。
- ミルクの後、抱っこしたまま窓の外の木の揺れを一緒に見て、「ゆらゆらしてるね」と言葉を添える。
明日の保育で考えたいこと
- 最近の記録にある一つの場面を、3つの視点それぞれから書き直すとどうなるでしょうか。
- 忙しい時間帯に、子どもの声やしぐさへの「応答」が後回しになっていないでしょうか。
引用は厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)の本文によります。解説は保育士求人アースによるものです。