保育所保育指針を現場の言葉で読む 第1回
「養護と教育の一体性」を毎日の場面で考える
保育所保育指針は、保育所の特性を「養護及び教育を一体的に行うこと」と書いています。お世話の時間と遊びや学びの時間を分けずに、同じ一つの関わりとして見直してみる回です。
「保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である」
保育所保育指針 第1章 総則 1(2)ア
「保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている」
保育所保育指針 第1章 総則 1(1)イ
保育所は「生活の大半を過ごす場」
指針は保育所を、子どもが人間形成にとって極めて重要な時期に、生活時間の大半を過ごす場としています。登園から降園まで、食べる・眠る・遊ぶ・着替えるといった一日のすべてが、子どもにとっての「育ちの時間」です。
だからこそ、特別な活動の時間だけでなく、何気ない生活の一コマにも保育の意味があります。
「一体的に」とはどういうことか
指針は、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを保育所の特性としています。「ここからがお世話、ここからが教育」と時間で区切るのではなく、一つの関わりの中に両方が含まれている、と読むことができます。
たとえば着替えを手伝う場面。清潔で快適に過ごせるようにする面と、「自分でやってみたい」気持ちが育つ面が、同じ数分間の中に重なっています。
見えにくい専門性に気づく
一体的な保育は、外から見ると「ただ一緒に過ごしているだけ」に見えることがあります。けれども、どこまで手を貸し、どこから見守るかを一瞬ごとに判断しているのは保育士です。
自分の関わりの中に、どんな「守る」とどんな「育てる」が入っていたかを言葉にしてみると、日々の仕事の意味が少し見えやすくなります。答えは一つではありません。
現場では、たとえば
- 食事の場面で、こぼしても大丈夫なように環境を整えつつ、スプーンを自分で持とうとする姿を待つ。
- 午睡明けにぐずる子を抱っこで落ち着かせながら、「おはよう、よく寝たね」と気持ちを言葉にして返す。
- 手洗いのとき、衛生を保つ手順を伝えながら、水の冷たさや泡の感触を一緒に楽しむ。
明日の保育で考えたいこと
- 今日いちばん長く関わった生活の場面には、どんな「守る」と「育てる」が重なっていたでしょうか。
- 「お世話だから早く済ませたい」と感じる時間を、子どもの側から見るとどんな時間に見えるでしょうか。
引用は厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)の本文によります。解説は保育士求人アースによるものです。