「男の子なんだから」と言う同僚
転んで泣いている〇〇くんに、同僚のBさんが「男の子なんだから泣かないの」と声をかけました。〇〇くんは泣くのをこらえて、うつむいてしまいました。Bさんは普段から子どもに温かく関わる人で、励ますつもりの言葉だったようです。あなたはその場で何か言うべきか迷いました。
あなたなら、この場面でどうしますか?
まず、自分ならどうするかを選んでみてください。
それぞれの対応を考える
Aその場で〇〇くんの気持ちを受けとめる言葉をかけるあなたの選択
「痛かったね、びっくりしたね」と声をかけることで、〇〇くんが泣いてもいいと感じられます。Bさんの言葉を否定する形にならないよう、あくまで子どもに向けた言葉として伝えたいところです。
BあとでBさんに、自分の感じたことを話すあなたの選択
子どもの前ではなく落ち着いた場で話すことで、Bさんも受けとめやすくなります。「励ましたかったんですよね」とBさんの思いを認めてから伝えると、対話になりやすいでしょう。
C園内で「性別にとらわれない声かけ」を話題にするあなたの選択
個人を指摘するのではなく、職員みんなで考えるテーマにできます。無意識に使っている言葉は誰にでもあるので、責め合うのではなく一緒に気づいていく場にしたいところです。
判断するときの視点
- 〇〇くんが自分の気持ちを安心して表せるか
- 性別による思い込みを子どもに伝えていないか
- Bさんの意図と、同僚との信頼関係
- 園全体での言葉づかいの共有
子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。
保育所保育指針 第2章 4(1)カ(厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号))
何気ない一言には、私たち自身が育つ中で身につけてきた考えが表れることがあります。気づいたときに、責めるのではなく一緒に考えられる関係でいたいものです。日々の声かけを振り返る機会として、園内で話し合ってみてはいかがでしょうか。
ほかの事例
- 散歩で拾ったどんぐり、持ち帰る?(安全と挑戦)
- けんかの「ごめんね」、言わせる?(子ども同士)
- 行事の写真をSNSに載せたい保護者(行事・計画)
- 泣いて登園する子と、保護者の別れ際(生活・食事)
- お迎えが毎日遅れる家庭(保護者)
- 行事の練習を嫌がる子(行事・計画)