雪渡り
雪がこおって野原のどこでも歩けるようになった日、四郎とかん子のきょうだいは森の近くで子ぎつねの紺三郎に出会います。きつねたちの幻燈会に招かれたふたりは、夜の森へ出かけていきます。
保育での楽しみ方「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」というかけ声が心地よく、子どもたちもすぐにまねをします。雪の日の散歩の前後に読むと、足もとの雪の音やかたさに気づくきっかけになります。
※やや長いので、前半の出会いの場面と後半の幻燈会の場面に分けて読んでもよいでしょう。
100年近く前から読み継がれてきた国内・海外のお話の中には、著作権の保護期間が終わり、誰でも全文を読めるものがあります。時代や国をこえて子どもに届いてきたお話は、保育士が「子どもに何を手渡したいか」を考えるきっかけにもなります。保育での楽しみ方とあわせて紹介します。
雪がこおって野原のどこでも歩けるようになった日、四郎とかん子のきょうだいは森の近くで子ぎつねの紺三郎に出会います。きつねたちの幻燈会に招かれたふたりは、夜の森へ出かけていきます。
保育での楽しみ方「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」というかけ声が心地よく、子どもたちもすぐにまねをします。雪の日の散歩の前後に読むと、足もとの雪の音やかたさに気づくきっかけになります。
※やや長いので、前半の出会いの場面と後半の幻燈会の場面に分けて読んでもよいでしょう。
ある日、一郎のもとに山猫から「めんどなさいばん」に来てほしいという、おかしなはがきが届きます。山へ出かけた一郎を待っていたのは、だれがいちばんえらいかで言い争うたくさんのどんぐりたちでした。
保育での楽しみ方どんぐり拾いの季節に読むと、拾ったどんぐりの形や大きさを比べる遊びにつながります。一郎がどんな答えを出すのか、途中で「みんなならどうする?」と少し間をとってみるのも楽しいです。
※昔の言葉づかいやかなづかいが残る部分があるため、事前に下読みしておくと安心です。
谷川の底にすむ二ひきの蟹の子どもが、五月と十二月、水の中から見た世界を語り合います。光や泡、上から落ちてくるものに、蟹の親子は驚いたりわくわくしたりします。
保育での楽しみ方「クラムボンはわらったよ」など、意味よりも響きを楽しむことばがたくさん出てきます。水遊びや川の観察のあとに読み、水の中からはどんなふうに見えるのか想像を広げてみましょう。
※「クラムボン」など意味のはっきりしないことばは、説明せずにそのまま楽しんでかまいません。
山へ狩りに来て道に迷った二人の紳士が、「西洋料理店 山猫軒」という立派なお店を見つけます。中に入ると、扉ごとに風変わりな「注文」が書かれていて、二人はそのとおりに進んでいきます。
保育での楽しみ方扉の注文を一枚ずつ読み上げるたびに、子どもたちの「あれ?」「おかしいよ」という声が増えていくのが醍醐味です。先が気になる場面では、少し声を落としてゆっくり読むと、ほどよいどきどき感が生まれます。
※狩りや、犬が倒れる場面があります。こわがりやすい子がいるときは、年長児を中心に、明るい時間帯に読むとよいでしょう。
秋の夜明け前、いちょうの木のお母さんのもとで、たくさんの実の子どもたちが旅立ちの支度をしています。子どもたちはそれぞれに、これから行く世界への期待や不安を語り合います。
保育での楽しみ方いちょうの葉や実が色づく時期に、散歩で見たいちょうの木を思い出しながら読むと身近に感じられます。旅立ちのお話なので、年長児の卒園の時期に読み返しても味わいがあります。
※短いお話ですが、登場する実の子どもが多いので、声の強弱で会話の区切りをはっきりさせると聞き取りやすくなります。
雪の降った寒い日、手が冷たくなった子ぎつねのために、母さんぎつねは町で手袋を買ってこさせることにします。片手だけ人間の子どもの手に変えてもらった子ぎつねは、ひとりで夜の町へ向かいます。
保育での楽しみ方雪の冷たさや、灯りのともる町のようすがていねいに描かれ、冬の夜の空気が伝わります。読み終えたあと、手袋やミトンを使う季節の話題につなげると、子どもたちも自分の手を見つめ直すきっかけになります。
春のあたたかな日、渡し舟に女の人と二人の子どもが乗り込み、そばでは一人の侍が居眠りをしています。子どもたちが一つしかない飴だまをめぐってだだをこね始めると、侍が目を覚まします。
保育での楽しみ方とても短いお話なので、集中できる時間が短い時期や、活動の合間にもさっと読めます。きょうだいや友だちと「一つしかないもの」をどうするか、身近な場面と重ねて感じられるお話です。
※侍が刀を抜く場面があります。こわい場面ではありませんが、読む前に流れを確かめておきましょう。
ある日、一ぴきのでんでんむしは、自分の背中の殻の中にかなしみがいっぱいつまっていることに気がつきます。困ったでんでんむしは、友だちのでんでんむしを一ぴきずつたずねていきます。
保育での楽しみ方梅雨の時期、園庭でかたつむりを見つけたときに読むと、子どもたちの興味と自然に結びつきます。短く静かなお話なので、読み終えたらすぐに感想を求めず、少し余韻を味わいましょう。
※青空文庫の本文はカタカナ表記です。読み聞かせの前に、ひらがなに置きかえて下読みしておくと読みやすくなります。
月のきれいな夜、町はずれでひとり針仕事をしていたおばあさんのもとに、めがね売りの男がたずねてきます。そのめがねをかけた晩、おばあさんの家の戸を、ある女の子がそっとたたきます。
保育での楽しみ方静かでやさしい月夜の雰囲気が魅力のお話です。お月見の季節や、午睡前の落ち着いた時間に、声のトーンを少し落として読むと、ふしぎな世界にすっと入っていけます。
※昔の言葉づかいがあるため、わかりにくい語は読みながら軽く言いかえるとよいでしょう。
川で洗濯をしていたおばあさんのところに、大きな桃が流れてきます。桃から生まれた桃太郎は、やがて鬼が島へ鬼退治に出かけることを決めます。
保育での楽しみ方いぬ・さる・きじが一人ずつ仲間になっていくくり返しが楽しく、劇遊びやごっこ遊びにも広げやすいお話です。節分の時期に読むと、鬼への関心とつながって盛り上がります。
※鬼と戦う場面があります。小さいクラスでは、戦いの場面を短くまとめて語ってもよいでしょう。
浜辺で子どもたちにいじめられていた亀を助けた浦島太郎は、お礼に海の底の竜宮へ案内されます。乙姫さまにもてなされ、夢のような毎日を過ごした太郎は、やがてふるさとが恋しくなります。
保育での楽しみ方海やプールの季節に読むと、海の中の世界への想像がふくらみます。最後の玉手箱の場面は、声の調子を変えずに淡々と読むと、子どもたちなりにいろいろなことを感じ取ります。
※昔の言葉づかいがあるため、下読みしてから読みましょう。
子どもを願っていたおじいさんとおばあさんのもとに、指ほどの大きさの男の子が生まれます。一寸法師はおわんの舟とはしのかいで川を下り、都へ出て行きます。
保育での楽しみ方おわんやはし、針の刀など、身近な道具が冒険の道具になるところに子どもたちは引きつけられます。こどもの日の前後に、小さくても勇気を出して進む主人公の姿を楽しめます。
※鬼が出てくる場面があります。
おじいさんがかわいがっていたすずめが、おばあさんを怒らせてしまい、山へ逃げていきます。おじいさんはすずめをさがして山をたずね、すずめのお宿でもてなしを受けます。
保育での楽しみ方大きいつづらと小さいつづら、どちらを選ぶかという場面で、子どもたちの意見が分かれて盛り上がります。読んだあとに箱や入れ物を使った選びっこ遊びにつなげるのも楽しいです。
※すずめの舌を切る場面があります。小さいクラスでは表現をやわらげて語りましょう。
かわいいひとり娘を世界一えらいお婿さんにとのぞむねずみの夫婦は、まずお日さまのところへお願いに行きます。ところがお日さまは、自分よりもっとえらいものがいると言います。
保育での楽しみ方お日さま、雲、風、壁と、「もっとえらいのは?」が次々につながるくり返しが楽しいお話です。お正月の時期に読み、登場するものを順番に当てっこするなど、ことば遊びとしても楽しめます。
お母さんに「マグレガーさんの畑にだけは行ってはいけません」と言われていたのに、いたずらなピーターはこっそり畑へもぐりこみます。野菜を食べていたピーターは、とうとうマグレガーさんに見つかってしまいます。
保育での楽しみ方小さな判型の本に合わせて描かれた繊細な絵なので、少人数や1対1で、絵をじっくり見ながら楽しむのに向いています。畑の野菜を育てている時期に読むと、子どもたちの生活とつながります。
※英語の原書です。挿絵を見せながら、保育士が自分のことばで語り聞かせる形がおすすめです。
自分で卵をかえしたいあひるのジマイマは、ボンネットとショールを身につけ、巣づくりの場所をさがしに出かけます。森で出会った親切そうな紳士が、ちょうどいい場所を貸してくれると言いますが……。
保育での楽しみ方おしゃれをして出かけるジマイマのおっとりした姿と、読み手だけが気づく「あやしさ」の対比が楽しいお話です。「この人、だいじょうぶかな?」という子どものつぶやきを受け止めながら読み進めましょう。
※英語の原書です。挿絵を見せながら、保育士が自分のことばで語り聞かせる形がおすすめです。
カラスのジョニー・クロウが手入れをする庭に、ライオンやくま、ぶた、きつねなど、たくさんの動物たちが次々とやってきます。動物たちはそれぞれ、庭でちょっとおかしなふるまいを見せます。
保育での楽しみ方原文は短い韻をふんだくり返しでできていて、ページごとに動物が変わるので、小さい子でも見て楽しめます。「次はだれが来るかな?」とページをめくる前に問いかけると、動物の名前を言い合う遊びになります。
※英語の原書です。挿絵を見せながら、保育士が自分のことばで語り聞かせる形がおすすめです。
三びきのこぶたは、それぞれ自分の家を建てるために旅に出ます。わらの家、木の家、れんがの家ができたところへ、おおかみがやってきます。
保育での楽しみ方おおかみのせりふのくり返しをみんなで声を合わせて言うと、一体感が生まれます。積み木やブロックで家をつくる遊び、劇遊びにも発展させやすい定番のお話です。
※英語の原書で、4話を収めた本の中の1話です。こぶたやおおかみが食べられる場面があるので、クラスの様子に合わせて語り方を工夫しましょう。
Project Gutenberg(英語・挿絵つき/『The Golden Goose Book』所収)で全文を読む ›
大きいくま、中くらいのくま、小さいくまの三びきが散歩に出かけている間に、女の子がくまの家に入りこみます。女の子はおかゆやいす、ベッドを、大・中・小と順番に試していきます。
保育での楽しみ方「大・中・小」のくり返しがはっきりしていて、大きさの違いを声の高さや大きさで表すと、子どもにもわかりやすくなります。食器やいすを使ったごっこ遊びにもつなげられます。
※英語の原書で、4話を収めた本の中の1話です。挿絵を見せながら、保育士が自分のことばで語り聞かせる形がおすすめです。
Project Gutenberg(英語・挿絵つき/『The Golden Goose Book』所収)で全文を読む ›
さびしいおじいさんとおばあさんは、ねこを一ぴき飼うことにし、おじいさんがねこをさがしに出かけます。ところが丘の上には、何百、何千、何億というねこがいて、おじいさんはどのねこも連れて帰りたくなってしまいます。
保育での楽しみ方「ひゃっぴきのねこ、せんびきのねこ……」と数がふくらんでいくリズムのよいくり返しを、みんなで唱えると盛り上がります。白黒の版画のような絵なので、少し距離があっても見やすいのも特長です。
※英語の原書です。ねこたちがけんかをして姿を消す場面があるので、語り方をやわらげてもかまいません。
ねこがバイオリンをひき、牛が月を飛びこえ、お皿がスプーンの手をとって駆けていくという、ナンセンスなわらべうたの絵本です。コールデコットは短いうたの一行一行に、生き生きとした場面をふくらませています。
保育での楽しみ方意味よりも音とリズムを楽しむうたなので、英語の響きのまま口ずさんでも、絵を見ながら日本語で状況を語ってもかまいません。「牛が月を飛びこえたらどうなる?」など、ありえない場面を一緒に笑い合えます。
※英語のわらべうた(マザーグース)です。同じ本に「Baby Bunting」も収められています。
花の咲く庭や野原で遊ぶ子どもたちを描いた、短い詩と絵を集めた本です。やわらかな色づかいの挿絵に、子どもたちの日常のひとこまがうたわれています。
保育での楽しみ方一編ずつが短いので、絵を1枚選んで「この子たちは何をしているかな?」と話し合う使い方がおすすめです。花を育てる季節や、戸外遊びの前後に見せると、自分たちの遊びと重ね合わせて楽しめます。
※英語の詩集です。全部を読むのではなく、季節に合った詩と絵を選んで紹介しましょう。
女の子マーセラの屋根裏で見つかった布の人形ラガディ・アンは、ほかの人形たちと一緒に暮らし始めます。人間が見ていない間、人形たちは動き出し、ちょっとした冒険をくり広げます。
保育での楽しみ方「人形が夜に動き出したら?」という想像は、ままごとや人形遊びが好きな子どもたちにぴったりです。1話ずつが独立しているので、数日に分けて続きものとして読むと、次の日を楽しみに待つ気持ちが育ちます。
※英語の原書で、全体は長めです。1話ずつ選んで、あらすじを語り聞かせる形がおすすめです。
お母さんの誕生日に森のベリーを摘んで贈りたいプッテは、かごを持って森へ出かけますが、なかなか実が見つかりません。切り株に座りこんでしまったプッテの前に、小さなおじいさんがあらわれます。
保育での楽しみ方ブルーベリーやこけももの子どもたちが、色あざやかに描かれています。夏の果物や木の実の話題、散歩で見つけた実と重ね合わせて、自然への興味を広げるきっかけにできます。
※スウェーデン語の原書(1901年刊)の画像つきページです。絵を見せながら、保育士が自分のことばで語り聞かせる形がおすすめです。
お母さんやぎが出かけるとき、七ひきの子やぎに「おおかみが来ても戸をあけてはいけませんよ」と言い聞かせます。まもなく、お母さんのふりをしたおおかみが戸をたたきにやってきます。
保育での楽しみ方おおかみがあの手この手で声や手足をごまかす場面では、子どもたちが「あけちゃだめ!」と声をあげて参加します。留守番や知らない人への対応など、生活の中の約束を話題にするきっかけにもなります。
※英訳の原書です。おおかみのおなかを切る場面があるので、クラスの年齢に合わせて語り方を工夫しましょう。
まじめに働いてもくらしが楽にならない靴屋は、最後の革を裁って夜のうちに作業台に置いておきます。翌朝、そこには見事にできあがった靴が並んでいました。
保育での楽しみ方だれが靴を作ったのか、夜のあいだのふしぎを子どもたちと想像しながら読めます。クリスマスの時期に、「ありがとう」の気持ちを伝えることや、プレゼントを贈る喜びにつなげやすいお話です。
※英訳の原書で、本の中では「The Elves」という題で収められています。
年をとって働けなくなったろばは、町の音楽隊に入ろうとブレーメンをめざして旅に出ます。道中で出会った犬、ねこ、おんどりも仲間に加わり、一行は森の中で明かりのともる一軒の家を見つけます。
保育での楽しみ方動物たちが一ぴきずつ仲間になるくり返しと、みんなで声を合わせる場面があり、劇遊びや発表会の題材として人気です。楽器遊びと組み合わせて、それぞれの動物の「鳴き声の合奏」を楽しむこともできます。
※英訳の原書です。泥棒が登場する場面があります。
夏の日、あひるのお母さんの巣から、ほかのきょうだいとは姿のちがう、大きな灰色のひなが生まれます。みんなからからかわれたひなは、居場所をもとめてひとりで旅に出ます。
保育での楽しみ方季節がめぐる中で、ひなが寒さやさびしさを乗りこえていく姿が描かれます。進級を前にした時期に読むと、自分の成長や、それぞれのちがいを大切にする気持ちについて考えるきっかけになります。
※英訳の原書で、挿絵はありません。長いので、場面を選んで保育士のことばで語るとよいでしょう。
掲載しているのは、日本の著作権法で保護期間が終わった作品です(海外の作品は、戦時加算の期間も終わっている作家に限っています)。全文は青空文庫・Project Gutenberg などの公開ページで読めます。海外作品の日本語の題とあらすじは当サイトによるもので、既存の翻訳書とは異なります。今の子ども向けに書かれた絵本の選び方は絵本の選び方をご覧ください。